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『ノルウェイの森』の装丁が、なぜ赤と緑なのか分かった!

前記事で、村上春樹氏のことを書いていて、ふっと思い立ったことがあった。
彼の代表作『ノルウェイの森』1987年 の装丁は、なぜ赤と緑なのか?


ネットで調べてみると、色々と諸説があるようであるが、今回自分が思い立ったことは、検索してもヒットしない。

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自分が思ったことは後にして、まずは検索すると出てくる諸説について。

 

1つ目はクリスマスカラー。
『ノルウェイの森』の出版された時期がクリスマスの少し前だったので、クリスマスでよく見かける赤と緑の色に合わせた、という説。


その当時、恋愛小説ブームというブームがあって、本の帯には「100%の恋愛小説」といコピーを載せたりして、つまりマーケティング的観点からこういう装丁になったというもの。


でも、これについては村上春樹本人が『そうだ、村上さんに聞いてみよう・・・』の中で否定している。


2つ目は『ノルウェイの森』という物語を赤と緑によって表現している、という説

赤:主人公が真っ赤に燃え尽きたことを示している。

緑:緑に出会い主人公が立ち直ることを意味している。


3つ目の説。

それは、

赤:キズキが死に場所に選んだ赤いN360

緑:キズキが死ぬ直前に遊んだビリヤード台の緑


この説は僕の知る限りではどこにも載っていない。というのは、『ノルウェイの森』と短編『螢』を読んでいて僕がこう思っただけなので。


そう言われると、『ノルウェイの森』の赤と緑がN360とビリヤード台に見えてきたりしませんか?


『ノルウェイの森』の赤と緑より引用


その他にも、「赤」は血の色、「緑」は森の色ですが、この『ノルウェイの森』の「赤」も血のような生命力を表していて、「緑」のほうは直子が死んだ森の色で、死を表している。


登場人物の恋人「緑」が後半、メインになってくること。だから、その前半は補色の赤になる。

 

など、さまざまな諸説があるが、今回自分が思い立ったことは、作者の村上春樹氏が東洋水産株式会社の「赤いきつね」と「緑のたぬき」大ファンだったから!


イッツ・ア・ジョーク!

これは悪い冗談です。忘れて下さい。

 

『ノルウェイの森』の赤と緑の装丁は、出版社の提案ではなく、作者の強い要望だったらしい。


当時、雑誌かなにかの記事で読んだ記憶があるが、赤と緑の装丁なんて派手すぎて絶対に売れない!と出版社の担当は猛反対をしたらしいが、村上春樹氏は赤と緑の装丁にすることを絶対に譲らなかったらしい。


数ある諸説は、神秘的な思惑やノスタルジックなものが多いが、彼は物事を複雑に考えるタイプではないと思う!どちらかというと、シンプルに物事を考える人。


自分が考えるには、赤と緑の装丁は当時彼が住んでいたイタリア国旗の色に由来するのではないだろうかと考えます。

イタリア国旗


彼がイタリアに住んでいた頃、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を聞きながら書かれたということは、前記事でも書いたとおりだが、まさにそう思うのです。

abberoad.hatenablog.jp


たぶん、シンプルな発想で赤と緑に決めたんではないだろうか?


最後に、自分の考えがすでに述べられていないか、念のためもう一度調べてみた。


ノルウェイの森 赤と緑 装丁 イタリア

のワードで検索してみた。


すると、やってしまった・・・。
すでに述べている方がいたようである。


愛知大学の小島基洋氏論文 村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』論によると、文学研究者の鈴村和成が『ノルウェイの森』の装丁の赤と緑が、イタリア国旗に由来するのではないかとする発想は楽しい。と書いている。『村上春樹戦記・「1Q84」のジェネシス』の中で書かれているらしい。


残念だ・・・。

この記事、ボツにしようと思ったけれど、知らない人も多いと思うし、ここまで時間を書いた記事をお蔵入りさせちゃうのももったいないので、開き直って公開しちゃいます。