さようなら、ボーナス!また出逢える日まで
2週間ほど前の話。
朝の朝礼で、役員から話があるので、13時に食堂に集まるようにと通達があった。
「ついに来たか・・・」と僕は実感した。
この春入ったばかりの新入社員を除いて、ほとんどの社員もきっと同じ気持ちなんだろうな?
定刻の13時、食堂に集まった社員は、皆押し黙ったままだった。
誰ひとりとして、話をしている者などいない。
重苦しい空気が流れていた・・・。
そして、遅れること約5分。役員と社長が食堂に入ってきた。
あらかじめ、声を掛けられていたのか、何名かの社員がホッチキスで留められたA4サイズの資料を配付した。
それに目をやると、近年の業績推移が表やグラフになって表示されている。
これを見れば、これからどんな話になるのかは、大体の社員は察しが付くようで、食堂の空気はますます重苦しくなった。
役員のひとりから話が始まった。
いわずとも分かるが、今期の業績が前期よりさらに悪化している。
「であるからして、今年の賞与は支給なし!とさせて頂きます!今後は、皆が協力して、業績を回復できるよう、社長を筆頭に頑張って行かねばなりません・・・。」
話はものの10分ほどで終了して解散となった。
うちの会社は、この業界では珍しく平均年齢が若いだけに、今後かなりの退職者は出るだろうな・・・。特に住宅ローンを抱えている社員は、ボーナスゼロは死刑宣告に等しい。
■マインドの変化
前職でも経験しているが、ボーナスなしが宣告されると社内のマインドは一気に変わってしまう・・・。休み時間になると、転職話で盛り上がるようになってしまう。
この会社でも、マインドは一遍した。
そして、自分が知るだけでも、年内いっぱいで退職をする希望する社員が何名かいるらしい。
本当かどうかは分からないが、この業界では約7割の会社でボーナスの支給がないらしいという話を聞いたことがある。
僕のような老兵は、ボーナスがなくなってもこの会社にしがみつくしかないけれど、今年の春に新卒で入った社員は、きっと混乱しているだろう。
来春もまた、2名の新卒が入社してくるらしい。
もう、止めて欲しい!斜陽産業に未来はない。新卒を採るなんて馬鹿げたことはもう止めましょうよ・・・。
さようならボーナス。
もう二度と出逢うことはないのかな?
生まれ変わったら、また逢えることを心から望んでいます。
取りあえずは、さようなら・・・。